road2vのブログ - a little white rooster

Windows10 64bit化、書庫:PC(パソコン)関連作りました。

「女たちのジハード」篠田節子/集英社

篠田節子さんの長編小説、直木賞受賞作。
1997年の作品。

以前もブログに書いたのだけれど、
NHKドラマを観たのをきっかけに、
かなり後に後日ハードカバーを
古本で購入したもの。
トマトをモチーフにしたカラーの装丁がよいです。

同じ会社でOLをしている女性たちがそれぞれの人生への
転機を踏み出していくストーリーで、
何度読み直しても、おもしろい。
おすすめの傑作。

先日、夜中に目が覚めてしばらく寝付けなかったときに
読み始めて、何日かかけて全部読み直した次第。

女たちの・・というのが当時をあらわしているけど、
男の立場からみても、大企業勤めが安泰でなくなった
今では、共感できるところがどんどん大きくなっている。

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昨日、楽天koboのサービスをきっかけに
電子書籍について、日頃考えていることを書きつらねてみたので
その絡みでもコメントを。

直木賞受賞すると、
本屋に平積みされるので目にふれる機会は多いと思う。

ただこの本の場合だと、定価2050円。
かなり厚めの本だし、書棚に移ってやがて在庫もなくなっていくはず。
たまに取り寄せをお願いすると、絶版といわれるケースは
実際に多いです。

実際、直木賞にはいつも注目していた当時の私も、
新刊を本屋でみた記憶はなし。(忙しくて見逃していた時期だったかもしれません。)
残っていたドラマの印象と、たまたま古本として見つけた出会いで
購入しました。売価500円でした。
購入には、程度と値段の影響も大きいと思う。
1500円だったら買わなかったかな。

ハードカバーならではの、手触り、存在感は
やはり文庫で買って読むのとは違う魅力はあります。

この本を買ったことには、大きな満足感がある。

篠田節子さんの印税収入につながらないことは、
申し訳なく。

ただし、その後篠田さんのファンになりました。
面白かった本を紹介することで
恩返しになればと願います。


さて、現状。

楽天kobo:
電子書籍では、この傑作は今買えません。
篠田さんの本は、今1冊のみ。
直木賞作家で、何冊ものベストセラーを持つ作家が
今この状態。

他の電子書籍サイトも見てみました。
本作がないのは変わらず。
ラインナップは2~数冊で差あり。
完全に歩調がそろっているわけではない・・・

ここにはヒントがある。
たとえば、創元SF文庫とかハヤカワSF文庫とかに特化して
(最初は外国人作家だけでも)
すべてラインナップそろえるような電子書籍ストアがあれば
SFファンのアーリー客層をすべて取り込めるかもしれない。
# ただし、文庫価格(当時)よりは価格安くしないとダメ!


楽天BOOKSで
文庫版ありました。740円
装丁はイラスト配置の縦横変わっているけれど、同じイメージで
まあよいかな。
白黒でこのイラストの味わいがないというのは、
電子インクペーパー採用の電子書籍の欠点になりますね。
(オリジナルをもっているひとからすれば)

Amazon:中古だと送料込み250円からありました。
コンディションの考え方はひとそれぞれなので
そこは不安要素。

今、ブックオフやスーパーの古本フェアなどで
程度のよいハードカバーの本作を見つけられたら、
それが最良の出会いです。