大沢在昌さんの新宿鮫シリーズ最新作。2011年出版。
この作品で10作目。
最近の作品はおおよそ5年間隔で出版されているようだ。
大沢在昌さんの長編、このシリーズ以外の作品も
多数でているのだけれど、大沢さんにとって初のベストセラーで
「無間人形」では、直木賞受賞したシリーズだけに
やはり新宿鮫は、ちょっと特別な存在なのだろうと思う。
それだけに、新作を発表するには感覚が空いてしまうのか。
キャリアでありながら、アウトローとして
警察組織内で腫れ物的な扱いを受けていた
鮫島も前作くらいからその有能さと仕事の成果が
素直にリスペクトされるようになってきていて、
時間の流れとリンクしたリアリティのようなものを感じる。
作中での中国人の役割も変わってきているし、
新宿という現実の街を舞台にして、時代背景も物語に
影響してくるというのは、シリーズ作品では意外と少ないのではと思う。
その鮫島の支えであった上司の桃井と恋人の晶。
大切な二人との関係と警察官という仕事。
次作は、どうなってしまうのか・・