iPodの誕生から、iPodが変えてしまった世界まで、
Newsweek誌のチーフテクニカルライターである著者が
自分の経験も踏まえて書いたドキュメンタリー。
まさしくiPhoneがアメリカで発売されたこの時期に
読んだことで、
よりアップルの、ジョブスの、生み出す革新的な製品への
思いが書きたてられた。
日本でiPhoneが発売されないのは残念。
もし発売されていれば、日本の携帯をどう変えただろうか。
アップルについては、そのスノッブさを少々敬遠する立場で
眺めていた。今でもiPodより、Walkmanを。Powerbookよりvaioを
買いたいと思っているのだけれど、
iPodが生み出した価値の大きさを改めて体感できた。
(最初の携帯音楽体験を生み出した存在として、ソニーのwalkmanについても
章が割かれています。)
imacやibook、G3、OsXの誕生に狂喜するMacファンは身近にもいて
互換機路線からの撤退、アップルの凋落と、
ジョブス復帰からの華麗な復活はライブで記憶している。
本書中でジョブスが語っている、
アップルにはまだ宝(優秀な人材)が残っていた
ということ、ジョブスが復帰したことで、すべてが良い方向へ動き出したこと
とにかくドラマチックで、
アップルの時価総額がデルを抜いた(2006/1)ときのエピソードなど
(マイケル・デルのかつての言葉を踏まえて、ジョブスが全社員に送った
メールの言葉:「諸君、マイケル・デルも未来を完璧に予想できるわけじゃ
ないってことが証明されたぞ」いうセリフが秀逸。)
つい最近のことなのだと思うと感慨ぶかい。
デルが天下をとって、その地位は磐石だと思っていたときから
5年かそこらでもう世界がずいぶん変ってしまった。
アップルII、そしてMAC(マッキントッシュ)、はたまたNext、
かつてのジョブスの仕事がiPodやiPhoneにもつながっている。
アップルとは、仕事でも少しは絡んだことがある。
社員が夢を感じられる会社は、やはり何かをやり遂げられるということだろう、
そう思った。