瀬名秀明さんの長編小説。
主人公の早季子は美術部に所属する高校2年生。
60年近く続く和紙店”藤枝”を営む母親との二人暮らし。
折り紙を教えてくれた祖父との思い出
、
早逝したクラスメイトの記憶、
親友や、先輩・後輩とのつながり
学園祭
こんな素直な青春を想起させてくれる小説はなかなかない。
甘酸っぱさと青い痛みを思い出させてくれる感じです。
淡い青とピンクの装丁がまた小説とあっていますね。
冒頭から、すこしずつ早季子の周りで起こる不思議な出来事、
ファンタジーなのかと思っていたら、
さすがに瀬名秀明さんらしい、仕掛けがあって
そのリアリティを伴った奇跡のような出来事のシーンでは
自分もその場にいることを想像して、
ああ、という感慨がありました。
瀬名秀明さんの書いた新しい小説、
おすすめです。