貴志祐介さんの長編小説。
宝島社、2011年 「このミステリがすごい!」大賞 国内部門1位作品。
上下に分かれた大長編なのに、一気に読み終わった。
貴志祐介さんはすごい。
高校教師として、自分の王国を築くために、
冷静に、ためらうことなく最適な手段を選ぶ蓮見。
前半、担任クラスの生徒の個性を把握し巧みに操りながら、
多くの問題を火種含めて解決していくくだりは、
クラス編成について振り返る部分も含めて、
蓮見の悪魔的な異常性がまだ表面にでないだけに
最近のドラマ「鈴木先生」と重なってしまい、
それはこの作品にとっては不幸なことだけれど...
サイコパスを扱った作品でも、
アメリカの作品とちがい独自の世界観に
どんどん引き込まれてしまう。
悪党が魅力的?なら、それに立ち向かうドラマが魅力的になる・・という証明。
後半、蓮見の決断と無茶な行動には、
異論あるかもしれないけれどだからこそ、最後まで走りきった気がします。
傑作、怖いです。でも続編も読みたいとも思う。