road2vのブログ - a little white rooster

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「世界最高のレーシングカーをつくる」林義正/光文社新書

日産自動車で長い間、
エンジン開発、排気対策、騒音低減、燃費改善技術の
研究開発に従事、その後レーシングエンジンおよびレーシングカー開発の
総責任者を務めた林義正さんの本。

退社後、東海大学工学部動力機械工学科教授として、
学生たちによるレーシングカー開発でル・マン参戦に挑戦、

その様子はテレビでも特集されているのを見た記憶があります。

<東海大学 ル・マン プロジェクト>
http://www.u-tokai.ac.jp/lemans/2008/index.html

レースといえば、
F1のホンダ、ル・マン優勝のマツダ
WRCラリーのスバル、トヨタ、三菱・・

国内グループAでのスカイラインGTRの脅威的な強さは
知ってはいたものの
カルソニックスカイラインが常勝状態だった頃、
 つくばサーキットに観にいったことがあります。)

国際レースというと、日産はちょっと目立たない印象がありましたが、
デイトナ24時間レースで日本車初優勝を果たしてたんですね。
その時の責任者が林義正さん、です。

走りに関して、
「やはり日産は一味ちがう、ドライビングをわかっているのは日産だ・・」
そういう自動車評論家や好事家のコメントにふれる機会は多くて、
一目おくような感覚はあったのですが、
その一端が、本書を見るとよくわかります。

分野はちがうけれど、
エンジニアリングを仕事に選んだ人間として
読んでいて、興奮したし、おもしろかった。
(現行GT-R開発責任者の水野さんの若い頃の姿も.
マスキー法対策では、ホンダのCVCCエンジン開発にだけ
陽があたっているような印象がありますが、この前後の日産の
エピソードも必見です。)

技術者と、足をひっぱる経営者や上司とのあつれきも
また共通するところ。
日産の一時期の低迷も必然だったのだなと思います。

今も、初めての本格的なEV量産車リーフのリリースを実現した
日産の技術力は、
偶然でなく長い伝統に裏打ちされたものだということがわかりました。

こういう人たちの思い、歴史は引き継いでいきたい。
それが日本の製造業がこれからも生き残っていく道だと思います。