road2vのブログ - a little white rooster

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「フリーター、家を買う。」有川浩/幻冬舎

有川浩さんの長編小説。

おもしろかった..というより、良かった・・。
帰宅時の電車の中で、何度か涙ぐんでしまった。


新聞広告で、本書の書名をみたときは、
有川浩さんならではの、ライトで楽しめるユーモラスな小説かと
想像していたのですが、

こんな小説だとは思わなかった。

主人公:武誠司は、フリーター。
大学を卒業して勤めた会社を3ヶ月で辞めた後、
再就職活動はうまくいかず、収入を得るためにはじめたアルバイトも
転々とするなかで、現状に甘んじている。

その彼が、直面することになる危機。
そして、間に合わなかったと反省している彼が
間に合ったといわれるまでの再生の物語。


あとがきによると
2007年7月~12月にかけて日経ネット丸の内オフィスにてweb連載された小説らしい。
日経がよくこんな小説連載させたなあ、というのも正直な感想。

この小説を読んで、救われたり、少しでも勇気をもらえる
そんな人たちはたくさんいるんじゃないかな、そう思う。


最終章の"[after hours]傍観する元フリーター"は、書き下ろし。
本編の最終章を読んだ後で、
脇役だった(ですらない?)恋愛の扱いにあっさりしすぎという感想を
もっていただけれど、

さすが”ベタ恋愛”ものの巨匠:有川浩さん、
わずか1章で、小説全体を別の作品に魅せる大技に成功。
- 作品全体考えたとき、すこし複雑な思いもあるけれど。

ないだろうけど、主人公たちのこの後の姿も読みたいと思う。

大・おすすめです。