刑事：鳴沢了シリーズ 第5作目。
前作で、交際中の優美に背中を押されたこともあり、
病をわずらい入院中だった父親との関係を修復つつあった鳴沢。
父親の葬儀、故郷新潟に戻った鳴沢の前に
姿をあらわす、かつて父親が唯一解決できなかった事件。
葬儀当日に時効を迎えた、その事件に向き合うことで
長い間断絶していた父親の知ろうとしなかった姿に
向き合うことになる。
ひさしぶりに戻った故郷、かつての同級生との
語らいなど、鳴澤了という人間を主人公にして小説としても
楽しめるのが魅力。
最後に
直井明さんによる解説『「刑事・鳴沢了シリーズ」の背景』が
付されていて、今までのシリーズを振り返ると同時に
本シリーズの良いガイドになっています。
新聞記者としての堂場瞬一さんの経歴なども
初めて知ることになり、あらためて興味をもちました。
