新藤冬樹さんが、キャバクラ(風俗産業)を舞台に描いた小説。
意に沿わず、キャバクラの新人ホール係として働くことになった主人公:立花篤の
視点で進む物語は、その心境の変化と芽生えた野心を軸に
ライバルや巨大な敵との闘いを魅力的に描いている。
これでもかと、いうくらいにえげついシーンがあふれた今までの小説と比べると、
控えめにも感じてしまう本作は、
その分、企業小説にも似たようなリアリティとエンタティメント性をもった
小説になっていると思う。
這い上がって、最後には幸せもつかめるような
そんな素直な続編をできれば読んでみたい。
新藤さんの作品としては、新しい方向性が見えた気がします。
(内容やジャンルというより、底に流れるもの。)