road2vのブログ - a little white rooster

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「統治崩壊」江上剛/光文社

不祥事や不良債権に絡んだ銀行内の権力闘争を軸にした小説は
いくつも読んできたが、
臨場感は、このタイプの小説の中では一番感じた。

最後に江上さん自身が「四十九歳、男の決断 ~あとがきにかえて」という
一文を載せている。最終的に銀行を早期退職することの決断にもつながった
自身の経験が、この小説を書く強いモチベーションになっていて、
それが江上さんの作品の中でも主人公の熱い想いを感じさせる小説に
なっている。

経済ノンフィクションでも、トーンが抑えめなだけで
内容が同じと感じる本は多々あり、個々のエピソードは
かなり事実に即してしているのだと思う。

英語の副題は「GOVERNANCE CRUSH」

最近、日本でも企業の法令順守の姿勢や倫理観の有無が
業績や社会での評価に強く直結する事例が増えている。

現実には、なかなか理想を実現することは難しいけれど、
企業みずから良くなっていかなければ、長い目でみて
衰退や破綻へつながるということは、
ここ数年の事例が証明している。