県庁の上級職エリート官僚:野村聡が、民間への人事交流研修に
選抜されて、1年間地方都市のスーパーに派遣される。
そこで教育担当のパート店員:二宮泰子と出会う。
織田裕二/柴咲コウ主演の映画もヒットしているようだ。
映画のCMスポットも多く流れていて、
おもしろそうだと思っていたが
原作を読んでみて、印象はちょっと異なった。
二宮泰子の設定も異なるし、主人公である野村聡も
イメージしていた人物像とはちょっとちがう。
小説だから、ストーリーにどんな結末も持たせることができる。
安心して虚構の世界を楽しめるというジャンルは確かにあって、
この本のポップな装丁(題名も)からもそういうタイプの
エンタティメントだと想像していたが、
読み終えた感想は、脚色も控えめで、落ち着いたリアリティを感じた。
ENDマークが出て「ハイ、終わり。」とならない現実に対して
本作は、ほどよいバランスを保っていると思う。
研修最終日の描写や、
エピローグでの野村聡の新しい一歩を踏み出す姿には
切なさや、まぶしさのような感情を共有できた。
未見だが、もちろん映画の脚色もありだと思う。
映画を見て、原作である本作を読んで2度楽しめる作品だと思います。