road2vのブログ - a little white rooster

Windows10 64bit化、書庫:PC(パソコン)関連作りました。

「鏡の背面」篠田節子/集英社

篠田節子さんの長編小説。

落雷による火事の中、母子を救って亡くなった、
新アグネス寮の(先生)小野尚子

善意と慈愛にあふれ生前から神格化された女性の死

お別れの会に、
かつて小野尚子を取材してその魅力にふれた
フリーのジャーナリスト:山崎千佳が弔問に訪れる。

厳かでしんみりした入り、篠田節子さんの小説ってこんな感じだったかなと
感じる導入部で、

その後、
新アグネス寮の代表である中富優紀の警察から、遺体が小野尚子とは別人だという連絡が
入るところからストーリーが動きだす。

ここからは、もうストリーテラーである篠田節子さんの世界。

遺体が半田明美だと判明するところ、

かつて半田明美を追いかけたジャーナリストの長島と、
その協力を受けて山崎千佳がたどり着いた真実は?

半田明美の人生が浮き彫りになり、
小野尚子の人生とクロスするところ。。

少女の頃から、老境にいたるまでの積み重ねた人生というものの重み

悲劇なのだけれど、

半田明美と一緒に亡くなった榊原久乃との関係、

想像することしかできないことも想像をふくらませる。

さすが・・ 面白かったです。

おすすめです。