海堂尊さんの長編小説。
「ケルベロスの肖像」に続く時間軸の作品。
久々に、田口・白鳥ペアが取り組む事件、
前作に比べればこじんまりとしたケースになるのだけれど
”実際にやったことは大したことでない”という今回のような悪意が
もっとも現実的で怖いとも思った。
それにAIセンターのその後や意義についての議論もあって
おもしろかった。
過去や未来も含めて、時間経過のある物語の良さというのものがありますね。
本書の後ろに47ページにわたる”海堂尊ワールド”を掲載
完全保存版と謳われた
桜宮サーガの全登場人物、年表、人物相関図なのでデータ。
海堂作品を複数読んでいる人には、これはおすすめ。
作品相関図をみて、あらためて
今まで読んできた作品の位置関係が整理されていく爽快さがあった。
それに
過去・現在・未来のつながりの中で
物語の登場人物が、実在する人生をもった人として感じられるようにも
なりました。