有川浩さんの10編の短編に綴られた小説集。
カーテンコール2編
にあとがき。
ある日、主人公:さやかの前に現れた青年イツキ。
行儀の良い同居人として一緒に暮らし始めた彼との生活の中で
さやかが知るようになった野草の魅力。
『雑草という名の草はない。すべての草には名前がある。』
昭和天皇の言葉だそうです。
私も、5歳で熊本に引っ越して、田舎で自然に囲まれた生活を
していたので、野生の植物にはなじんでいるつもりだったけれど、
5歳、6歳の誕生日の両親からのプレゼントは植物図鑑だったな。
ウサギのえさ当番などで、口伝で地元の子に教わった情報もあった。
こんなに、食べられる魅力的な植物があったなんて。
きれいな写真と、ていねいな説明の文、
いつものベタ恋愛ものとは、ちょっと抑え目の感情表現が
かえってまたよし。
カーテンコール2編の、味わいが格別でした。