柳広司さんの長編小説。
主人公の冬木安奈は、元SP。
厳しい選抜試験を勝ち抜いて天職と定めた仕事。
とある事件をきっかけにそれを辞めることになった。
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その彼女が、チェスの元世界チャンピオン、不戦敗のままタイトルを剥奪された
アンディ・ウォーカーの警護に巻き込まれることになる。
書名のキング&クイーンは、チェスの駒から。
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プロフェッショナルの仕事ぶりを書かせたら、
さすがに柳広司さんの描写は抜群。安心して、主人公の行動を見守っていられる。
元上司や同僚たちもまたしかり。
残念なのは、ドラマ「SP」の印象が強く残っていて、
どうしても、重なってくるイメージがぬぐえないところ。
現実と虚構を重ねるような部分でも、似てしまうのは否めないか。
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反面、チェスの世界、
なじみのない、その世界でトップを目指すレベルの
プロたちの感覚、目線については、
初めてふれることができて、すごくおもしろかった。
シリーズとして、新しい作品も読んでみたい、
そう思いました。