road2vのブログ - a little white rooster

Windows10 64bit化、書庫:PC(パソコン)関連作りました。

「空飛ぶタイヤ」池井戸潤/実業之日本社

新しいクルマを買おうかとしている時期に、
この本を読んだことには、不思議な縁を感じる。

後付で実在の団体・事件とは一切関係ありませんとことわられているとはいえ、
自動車産業界をゆるがした三菱自動車の巨大なリコール隠し問題を
容易に想起させられる。

銀行を主舞台にした小説がほとんどだった池井戸さんが
新境地を開いた作品だと思う。

現実の事件については、逮捕者もだした大企業側の事情について
報道の関心は集中していたように思う。
当然存在していた被害者たちのことを、丁寧に掘り下げて
作り上げられたドラマに、何度も感情を揺さぶられた。

最後の逆転劇には、心の中で何度も
快哉を叫んでしまった。

関係者にとっては、忘れたい事件だと思う。
でも忘れてはいけないことだ。

食品関連では、偽装問題で信頼を損なう老舗が相次いでいるが、
モラルよりも自己の利益を第一に考える企業は
本当に存在を許されない時代になってきていると思う。

先日、ドトールコーヒーの鳥場社長が出演したテレビを観たが、
「何が正しいかを第一に考える。」という言葉には感銘を受けた。
正しいシンプルな信念に従うだけで、
余計な悩みも持つ必要がなくなるということだ。

どんな会社がどんなふうに考えて行動しているか、
厳しい消費者の眼も、求められていると思う。