「明日の記憶」に続いてTBS系でTVドラマ化・放送される萩原浩さんの作品。
（9/17(日)9:00～ 主演：森山未来/上野樹里/内山理名）
2001年9月、バイト先の上司とけんかしてやめた主人公：尾島健太は、
茨城県大洗海岸でサーフィン中に大波にのまれて海中に沈む。
時を隔てて1944年（昭和19年）、
もう一人の主人公、霞ヶ浦航空隊の飛行術練習生：石庭吾一は
茨城県霞ヶ浦で初の単独飛行訓練中に墜落する。
19歳の二人が、時を越えて入れ替わり、
それぞれの立場でその時代を生きて物語は語られる。
設定が決まれば、後は自動的に物語が動き出す・・
そういうタイプの物語と思っていたけれど、それからの約1年、
石庭吾一の時代で終戦日が過ぎるまでの期間
丁寧に二人のそれぞれの生活と感情の変化を追ううちに
今までのタイプスリップものとは少しちがう感覚を覚えた。
特に、石庭吾一が石庭家の墓参りにでかけて
尾島健太の消息に気づいたあたりからは、話に引き込まれた。
健太の恋人、鴨志田ミナミが二人にとって
大きな存在となって物語を支えている。
物語のSituatioｎそのものを重要視するのでなく、全体で何かを
伝えようという萩原浩さんの目論見は本作でも成功していると思う。
両親はもちろん、祖父母の存在も近しく感じられるように
なるかもしれません。
