副題は”新米記者が見つめたメディアと人間の罪”。
名前は少し変えてあるが、前回の安倍総理辞任から始まった自民党への逆風と
その”空気”を形つくったマスコミの姿が、実際の政治家の姿も踏まえて
描かれる。
淡々と起きていた事実をつらねていくストーリーなのだが、
わずか数年前の日本の状況を思い出して、マスコミの報道しない自由の
行使の影響の力をひしひしと感じた。
組織の中で、空気にさからうことは難しいことだとつくづく思う。
結局は、国民ひとりひとりが情報を正しく理解できるリテラシーを持つことが
重要なのだという本書での主人公の気づきは、今もその必要性を
失っていない。
今度の選挙の結果がどうなるか、対局は変わらないのだろうが、
国民のリテラシーは確実に上がっていると思う。
投票は、白紙委任でないし、そのことを想像できない
政治家たちではないと、信じたい。