楡周平さんの長編小説。
主人公:柴山哲治15歳
カリフォルニアで、大学教授をしている彼の父親は
かつて働いた日本の自動車関連部品の中堅メーカーで
水素を燃料した自動車の実用化に必須な画期的な燃料タンクの
発明を成し遂げた後、
その特許権をめぐり裁判を闘っていた。
最高裁判所での判決を前にした父親の謎の死。
産業構造自体を変えることにつながるような発明、
巨額な利権、うごめく巨大な組織。
外資系企業で働き、ビジネスの世界を舞台にした
傑作小説をいくつも書いている楡周平さんが
このテーマで・・と高い期待とともに読み進めました。
読みやすく、一気に読み終えたのですが・・
なんだろう、わかりやすいというかひねりがないというか、
悪くいうと安易な感じの展開で
正直、傑作とはいえないですね。
携帯読書サイトで配信された小説を加筆・訂正して書籍化したもの
とのこと。
偏見はあるとは思うけれど、このタイプの小説を書き上げるには
向いてないスタイルではないかと思いました。