小説の舞台は1995年、
阪神・淡路大震災、そしてオウム真理教による地下鉄サリン事件、
暗い年だったとプロローグで説明される。
個人的には、ついこの間のようにも思えるのだが
ひと昔前ということなのだな。
主人公の主婦:井口美恵子は44歳。
生真面目に働く夫と、高校受験に失敗して浪人中の一人ムスコとの
3人暮らし。
それなりに幸せのはずなのに、何かがたりない。
コンビニで働き始めて、
そして
幼なじみ、バツ2の独身で奔放に生きているように見える友坂かおりに促されて
ついにバンドをはじめることを決心する。
職場で知り合った?10歳下の立花雪見、
メンバー募集広告を見てやってきたバンドリーダーになる広田新子
40代女性を中心にしたガールズバンドが誕生する。
私自身はバンド経験ないけれど、
学生時代に放課後エレキのサウンドがもれ聞こえる中で
楽しそうだなと思っていた。
年齢には関係なく、バンドというと青春という感じがする。
時間をやりくりして、一生懸命練習してそして
一曲だけのステージ。
一度は演奏をストップした中で、美恵子が啖呵をきる場面は
すっきりする。
そしてささやかなハッピーエンド。
40歳を越えてすこし疲れている人に読んでほしいと
思いました。