2005年、「対岸の彼女」で直木賞を受賞した角田光代さんの短編集。
同じテイストでつづられた8編。
救いがない・・
ような状態で物語が終わるのは、リアリティがあるということなのか。
短い小説世界なのに、引き込まれて
真相は?結末は?とページをめくるうちに
そこで唐突に物語は終わる。
フラストレーションが残ったが、それが角田光代さんのねらいなのかもしれない。
この短編集の小説を、真相や結末まで丁寧に書きこんでいくと
「対岸の彼女」になるような気がした。
思えば「対岸の彼女」でも、明かされない真相は残るのだが、
リアリティのなかで希望や救いがあって、気持ちよく楽しめました。
角田さんの小説を読むのは、これで2冊目。
他の小説はどうなのか?読みたくなってきた。