篠田節子さんの長編小説。
かつて国内で著名な賞を受賞したものの食べていけず、
イタリアで修行して確かな技術・実績を取得したものの、
芸術の世界で戦うライバルたちの才能と比べて
限界を感じて帰国した彫刻家の主人公
自分をイタリアに送り出してくれた両親がなくなり
姉に叱咤されて、日本で肖像彫刻の仕事をはじめるのだが。。
実際には自分のまわりにはいないのだけれど、
地方での生活、近所のひとたちとの交流
リアリティある存在感があって、主人公を好きになる、
篠田節子さんの小説、ちょっと情けない展開も、
ユーモラスな結末も、そしてちょっとのオカルトも
ちょっとだけ「女たちのジハード」を読んでいたときの感じを思い出しました。
違いは、自分が年をとったぶん、同世代の主人公に親しみを感じるところ。
楽しみました。