レイモンド・カーヴァーやフィッツジェラルド作品の翻訳でも知られる作家の村上春樹さんと
翻訳家:柴田元幸さんの対談・インタビュー記事をまとめた本。
名作文学からベストセラーまで、子供の頃から翻訳小説は身の回りにあったので
ふつうに思っていたけれど、お二人の話を読むと、そういう作品にふれることが
できるのも幸運な出会いなのだとわかります。
■森鴎外と夏目漱石
全著作の1/3が翻訳作品だった森鴎外と、素養はあったものの翻訳に消極的だった
夏目漱石との比較、おもしろい。
■名作の翻訳比較
チャンドラーの「プレイバック #1」やフィッツジェラルドの「グレート・ギャツビー」などの
1シーンを題材に、二人の翻訳を並べて語りあうところ。プロである二人が訳したものが
短いシーンでこんなに味わいが変わるものかと驚き。
#1 誰も知る名セリフ
「タフでなければ生きていけない、優しくなければ生きている資格がない」
のシーンの二人の訳も読めます。
自動翻訳の技術、googleなどでも随分進歩しているのだろうとおもうけれど
翻訳小説の世界に使われるのは、これは当分先というか、こないかも?
と思いました。
■村上春樹さんが、チャンドラーの翻訳している記事は読んだ記憶があったけれど
シリーズ全訳していのは知らなかった。
いずれシリーズ読み始めたいと思っていたけど、訳者で悩むようなことでできるのは
贅沢なことですね。