伊坂幸太郎さんの長編小説。
主人公は双子の兄弟:常盤(ときわ)風雅と優我、
彼らには、二人だけで共有する秘密があった。
物語でついてよい嘘はひとつだけ、という
言葉があって、
本書では、彼らのその秘密が
それにあたるのだと思うのですが
二人が育った家庭環境についても、
風雅の恋人になる小玉の境遇についても
物語のための嘘ではないのだな、ということが
実感としてわかるようになっていることが
悲しい現実です。
どんな環境でもそれなりにたくましく生きていける、
大切なものを守るために行動すること、
そんな人の生き方が描かれている小説でした。
おすすめです。