ロバート・ラングドン教授が活躍するシリーズ最新長編。
舞台はスペイン。
ビルバオ・グッゲンハイム美術館、
(本作のヒロイン、スペインの王子の婚約者アンブラ・ビダルはその館長)、
後半の舞台となるサグラダ・ファミリアをはじめ、カサ・ミラ、
冒頭の写真を見るだけでも、ガウディ作品の魅力が伝わって
それが本作の魅力を引き上げる材料にもなっています。
気鋭のコンピュータ科学者、未来学者である
エドモンド・カーシュ(ラングドンのかつての教え子)
が、たどりついた人類の命題
「われわれはどこから来たのか?、われわれはどこへ行くのか?」
ネットを通じて全世界へ向けたその発表のプレゼンテーションまでの
背景説明(前振り)が長いのですが、
それゆえに、前巻後半からの
もうひとり?の主人公:カーシュの創り出したAI:ウィンストンの
助けを借りたラングドンとアンブラ・ビダルの冒険、
次々と明かされていく秘密・真実には、わくわくします。
最近、AIやシンギュラリティの話は、いろんなところで
語られているのですが、量子コンピュータを使ったこういうスト-リー展開は
想像したことがなかった
カーシュが所有するテスラの高級モデルが自動運転のシーンなども、
時代感を感じます。
面白かった!です。
本書の見せる未来は、あり得る予言なのかもしれない、
そう思いました。
■補足
海外ドラマの「メンタリスト」が好きで、
BS放送やレンタルDVD、動画配信サービスなどで全シーズン視聴しているのですが
その中で、詩が大きな役割果たしているウィリアム・ブレイク(英国)が
本書でも大きな役割を果たしています。
単なる詩人ではなくて、多くの分野で業績を残した偉人の一人だったということを
本書で知りました。だからこそ・・ということだったのか。
発見がありますね。