原尞さんの長編デビュー作にして"探偵・沢崎シリーズ”の第1作目。
刊行されたのが1988年4月なので、
おそらく30年ぶりくらいに再読しました。
読み始めたら、断片的にでもストーリーを思い出すのかな、と思っていましたが
正直、全く覚えてませんでした。。
その分また新鮮な気持ちで楽しめました。
再読に当たって、ちょっと想像と違ったことが2点
■おもったよりも時事的なことへのリンクが強い?
ハードボイルドなので、古典的でスタンダードなストーリーという
イメージを持っていましたが
舞台となっているその時代に明確に根差している感じがしました。
ここから考えると
新作は、現実世界で過ぎた時間軸を反映したものになるのか・・
あるいは、前作から数年という今からみれば過ぎ去った時を舞台にするのか?
どちらになるのか、それもまた楽しみ、になりました。
■デビュー作からこんな重層構造だったか。
終盤、Endingに向けてのどんでん返し的な、展開につぐ展開・・
「愚か者しすべし」での沢崎の有能さ、探偵としてのすごさは
強く印象に残っていたのですが、
初期作品からこんな複雑なストーリーを解きほぐす探偵だったのか・・
というのが改めて読んで驚いた点です。
本作を読み終えたのが、夜中だったのですが、
すぐに2作目の「
私が殺した少女」Kindle版を購入して、続けて読み終えました。
これが、電子書籍のよいところ、ですね。