東野圭吾さんの長編小説。
主人公:手島伯朗は動物病院の院長代理をつとめる獣医、
彼のもとに、異父弟の明人(アキト)と結婚したというかえで(楓)から
弟が失踪したという電話がかかってくるところから物語が始まる。
病死した売れない画家である父、彼が死ぬ前に残した不思議な絵画の記憶、
母が再婚して、伯朗もお世話になることになる矢神家、
かえでと一緒に、疎遠になっていた矢神家をふたたび
訪れる中で、すこしずつ明らかになっていく謎、
癖のある登場人物があふれて、けれん味や仕掛けがありそうな中で、
主人公のまじめさや素直さが、最後まで明るいガイドになっていて
ラストまでそのトーンが失われなかった・・
構えてみると、悪意があふれていて、おどろおどろしいようでいても
現実の人間はもっと単純で素朴なものかもしれない。
予想外だったけれど、楽しくて
ちょっと笑える読後感でおわりました。
伯朗の欠点は・・笑ってしまった。