road2vのブログ - a little white rooster

Windows10 64bit化、書庫:PC(パソコン)関連作りました。

「屋上の道化たち」島田荘司/講談社

島田荘司さんの長編小説。

ハードカバーの表紙は、
都会の夜景を背景に薄暗い屋上で踊るピエロ。

そのおどろおどろしさのイメージから「摩天楼の怪人」に通じるものを想像しながら
読み始めたのですが、

冒頭から、
グリコ・キャラメルをモチーフにしたと思われる”ブルコ”の走るキャラクター看板をめぐる
郷愁をそそるモノローグ。

その後の登場人物たちの織り成す会話も、
大阪弁(感化されたにせものもあり。。)で
次々に起こる連続事件の悲痛さを
わすれさせるような展開。

終盤にいたるまで、この小説が
御手洗潔”シリーズの作品であることに気づかなかった、です。

前作「星籠の海」は、歴史(だけでなく)ロマンありのちょっとどきどきするようなドラマ
(だから初めて?映画化されたのも納得)だったので、
その落差もちょっと面白い。


脇をかためるエピソード、真実を固めるピース。

ラーメン屋と仏具屋とロールスロイス・ファントム
レストラン・シェフとドン・ぺり。

そもそものサンタクロース強盗

最後に、

この長編小説で、島田荘司さんが作り上げた
”謎と幻想の提示とその論理的解明”

その肝がなんだったのか?に新ためて気づいたときには、
思わず笑ってしまいました。

島田荘司さん自身、執筆中にほくそ笑んだいたのじゃないかな、と想像しました。

おすすめ、です。