西加奈子さんの長編小説。
主人公:圷歩(あくつ・あゆむ)のイランでの出生時の
家族のエピソードから続く物語。
主人公の年齢は、自分より10年くらい若いのだけれど、
それくらいの差だと、世代さはあまり感じないで
日本での生活のエピソードは
ちょとだけずれた同じ時代をすごした感覚で読んでました。
家族ぐるみの海外(イラン/エジプト)での駐在経験が
ストーリーのひとつの核になっているので、
そこは自分とは異なるとしても
親戚とのかかわりや、成長していくなかでの級友たちとの
かかわりなど、生きていくだけで
人はそれなりに濃いつながりの中で生きていくのだなという感想です。
そして下巻、
姉が長い旅の後にようやく”信じるもの”を見つける中で、
自分を見失ってぶれている歩が知ることになる両親の離婚と選択の真実とは・・
主人公の歩とおなじように、
想像してなかった事実を知って、それまでの家族の行動の意味を知る・・
西加奈子さんの小説ならではの、感覚は顕在でした。
最終、第6章は
「あなたが信じるものを、誰かに決めさせてはいけないわ。」
小説というもののもつ力や魅力を改めて感じました。
おすすめ。