百田尚樹さんの長編時代小説。
最初は、書名を「影武者」だと思い込んでいて、
戦国時代の武将かなにかを主人公にした派手なエンターティメントを
イメージしていましたが、
さすがに「風の中のマリア」を書いた百田尚樹さん、
期待は想像していなかった方向に裏切られました。
主人公:名倉彰蔵(戸田勘一)とその竹馬の友:磯貝彦四郎
出会いから、40年後に知る友の最期、
そしてその行動の真実とは。
読み進めてたどり着いたときに、
あたかも現実の話でもあったかというような詠嘆があります。
厳しい身分制度、家の存続の難しさ、名誉の重さ、
冷静に考えて、現在よりずっと制約の多い中で、
どういう行動を選択するのか、選択できるのか・・
勘一を含めて、その行動の意味を理解し、
怒り、泣いてくれる友や敵がいたというのは救いなのだけれど。
おすすめです。