湊かなえさんの小説集。
下記4編から構成。
・楽園
・約束
・太陽
・絶唱
序章、主人公が訪れるトンガの島の風景や人たちのやさしさが
描かれるところから
いつもの湊かなえさんの小説とはちがうスタート。
異国への旅行の魅力を、本読んで喚起されたのはひさびさ。
なぜトンガなのか、
各章の主人公たちのつながりがエピソードを経るごとに
みえてくるのは、1995年の阪神淡路大震災のこと。
最終章である”絶唱”の語り手の言葉を考えると
湊かなえさん個人の思い入れが反映された小説なのでしょうかね。
先日読んだ「明日の子供たち」のときも思いましたが、
当事者たちの思いを、共有できていないかもしれない、
という想像力は、もってなくてはいけないものだと思いました。