重松清さんの長編小説。
教師をしていた妻をがんで亡くした主人公が、
かつて妻が育ち懐かしがっていいたニュータウン”希望ヶ丘”に
家を買って子供たち(娘・長女)と生活を始める。
ニュータウンの良いところ、悪いところ、
時間を経た現実。
ノスタルジーにあふれたほのぼのとした物語ではないのだけれど
かつて妻が過ごした青春時代の思い出を共有しながら、
人がつながっていくところにほっこりする。
現実の世界でも、積み重ねた人生はそういうふうに働いていく
ものではないかと思う。
重松さんが、矢沢栄吉さんのファンだというのは、
他の著書でも知っていたのだけれど、
本作で描かられる希望ヶ丘のエーちゃんの恰好良さは、
抜群で爽快だった。
ラストの娘:美嘉の手紙もよいです。
同じ年代を共有しているひとにおすすめ。