road2vのブログ - a little white rooster

Windows10 64bit化、書庫:PC(パソコン)関連作りました。

「清流の宴」石川渓月/光文社

石川渓月さんの長編小説。

主人公:西野俊之は49歳、
かつて将来を嘱望された有能な水の研究者だった。

部下のリストラを強要されたプレッシャーに押しつぶされ心身喪失、
無意識の車上荒らし行為で、警察に逮捕された上、
産業スパイの疑いを会社を追われた。

その事件の前にすれちがいで妻にも去られ、自暴自棄になった西野は
かつて研究者としてきたことのある四国・高知を訪れる。

無銭飲食をして警察につかまろうとしたところを、
店主と常連客の人情に救われる。

これ以上ないくらいぼろぼろの状態になった主人公が
立ち上がり、新しく力強い一歩を踏み出せるのか?

アジア勢の絡む水ビジネスの脅威、

道具立ては十分魅力的で、期待して読んだのだけど、
主人公の正義心も、周囲の強烈なキャラクターの前では
埋没してしまって、正直不完全燃焼感が残った。

最後に、燃え残った熱い何かを主人公が意識するところで
物語が終わるのだけれど、続編がもし作られるなら
その活躍を期待したい。