奥泉光さんの長編小説。
ピアニストを目指して音大入学を願う主人公:里端優は、
帰国して同じ高校に入学してきた天才ピアニスト永嶺修人と親しくなる。
永嶺修人の語る
作曲家であり優れたピアニストであったシューマンの
楽曲についての造詣を、雰囲気だけでしか受け取れないのは残念。
物語として趣旨がちがうのは承知しているけれど、
こういう本は、CD付であったら楽しめるのにと思う。
シューマンに関して、
指に変調をきたしてピアニストを断念したというエピソードや、
ピアノソナタを書かなかったということなど、
知らない話は多いものだと思う。
物語は、急展開して驚いたけれど、
こういうストーリーにはふさわしいのかもしれない。