浅田次郎さんの長編小説。
1951年にGHQの指令によって作られた金融保証期間。JAMS(全国中小企業振興会)。
定年を前に再就職先としてJAMSにあっせんされた
財務省ノンキャリア:樋口慎太郎、
そして自衛隊元2等陸佐の大友勉、
働く必要はない、安楽な天下り先として用意されたJAMSで
初日から戸惑う二人。
JAMSで出会った職員、立花葵に稲妻のようにひらめいた考え。
「ねえ、仕事しましょうか?」
「仕事よ。三人で仕事しようよ。時間はたっぷりあるわ。」
とうの昔に時効になった、貸付金。
回収の義務はなく、法的責任もないそれらの借主を訪ねる二人。
思いもかけず大成功を収めた借主たちは、彼らに何を語るのか?
面白かった。
ラストシーン。
性別や年齢、経験を越えた同志としての友情が心地よかった。