ジョン・グリシャムの長編小説。
冒頭、5年もの長い審理期間を経て
クレイトン科学との巨大な損害賠償訴訟の勝訴判決を
原告側弁護士ウェス・ペイトン/メアリ・グレイス夫婦が勝ち取るところから
物語がはじまる。
本来なら、小説のクライマックスである判決シーンからスタートすることで
今までなかった小説だということがわかる。
勝訴判決、和解、グリシャムの小説で焦点になってきたポイントに加えて
ミシシッピ州最高裁判事を決める選挙が焦点に・・
選ばれた最高裁判官候補者ロン・フィスクとその妻ドリーンに悪意がないだけに、
巧妙な仕掛けにうならされてしまう。
有効な反撃を行えたと思った後でも、巨額な選挙資金の力の前には
対抗できない。
苦いラストシーンが、
グリシャムがエンタティメントを越えて伝えたかったことなのだ。
こういう小説があるアメリカは深い。