村上春樹さんの長編小説。
図書館で借りて読むというスタイルだと、本作のような時代のベストセラーも
手にできるのは、ずいぶん後になります。
時間がたって、ようやく手に取りました。
世間の盛り上がりを一緒に共有できることも読書の楽しさであるかも
しれないけれど、
1984-1Q84を舞台にした小説だけに、
刊行時に読んでおけばよかったなという感想はなかった、かな。
BOOK1前篇を読み終えた時点では、
まだ二人の主人公の関係が定かでなく、かなり個性がはっきりした生き方も含めて
それほどひきつけられなかった。
そして、この後、BOOK1後編(文庫版)、BOOK2を続けて読了。
二人がほとんど唯一の接触だった思い出を絆として、
共有しているもの。
1984年に30歳を迎えようとしている主人公たちだということを
あらためて認識して、
時代は少しことなるけれど、大人になって自活していくことについて
自身の努力を積み重ねてきた部分のリアリティを自分の人生とも重ねて
物語に引き込まれました。
共有してきた時代と、これから共有していく未来。
少し上の世代に感じる基本的な親近感があります。