伊坂幸太郎さんの長編小説
「グラスホッパー」の続編。
舞台は、仙台、盛岡へ向かう東北新幹線の中。
主人公の七尾は、天道虫とよばれる不運な男。
(レディビートル、レディバグはてんとう虫は英語でそう呼ばれている。
ここでレディはマリア様のことらしい。)
前作を読んだときは、こんな世界を描いてユーモアや教訓めいた
何かを残せるエンターティメントを作り出せる伊坂幸太郎さんの
腕前に驚かされた。
続編が出ているのを知ったときは嬉しかった、そして
期待どおりおもしろかった。
王子の怖さは、「悪の教典」の蓮見をしのぐものがある。
敵役が憎らしければそれだけ、逆点のカタルシスがあるということだ。
登場するそれぞれの"業者"のプロフェッショナルであるが故の
ぶれなさが、気持ちいい。
もう一度、「グラスホッパー」を読み返したくなりました。
そして、また続編が待ち遠しい。