楡周平さんの長編小説。
「再生巨流」、「ラストワンマイル」、「プラチナタウン」など
今までも、ビジネスの分野で思考実験
{しがらみや確執のない中で自由にアイデアを膨らませて実行できたなら}
を小説として結実させてきた楡周平さんが、
今回挑戦したのは、自動車。
日本自動車工業、通称:日工の新型ハイブリッド車の
テスト試乗のシーンから物語は始まる。
国内4位のメーカーの社運をかけて開発している新シリーズ
だが、ローンチを前に
アメリカのサブプライムローン問題に端を発した経済危機が
市場を悪化させる。
どんな手をうつべきなのか・・
日本だと、自動車業界を舞台にした小説は以外と読んだことがない
ような気がする。現時に起きたことともリンクした展開を楽しんだ。
原発事故が起きる前に書かれたものであることも意識しながら
読むともうひとつ深く読める。
それにしても、
最近の現実世界の動きは、
小説世界よりももっと早くなっているのかもしれないな、
と思った。