垣根涼介さんの長編小説。
人生再生セミナー「第三回小笠原塾開校」、
最終合格者で新たに就職を希望する生徒には、
その適性を見て就職活動を支援する。
人生のやり直しを期して、安くはない費用を払ってセミナーに
応募するひと、
それぞれバックボーンの異なる主人公たち。
最初は、カルトにちかいような自己啓発セミナーを舞台に
したサスペンスのようなものを想像していましたが、
まじめに人生を再生するという意図をもって
セミナーに参加したひとの気持ちの変化と成長を
追った小説でした。
おもしろかったし、
就職や転職活動での
適性試験というのは、こういう考え方などを見ているものなのだろうな
ということがわかって新鮮だった。
小説の形を借りて、マネジメントや自己実現などの啓発を
行う作品は最近多いと思うけれど、
小説として完結して、結果的に本書のような印象を残す作品は
初めてだと思う。
今までとはちょっと違う感覚を味わえるかもしれません。
機会があれば、ぜひご一読を。