森絵都さんの長編小説。
「風に舞い上がるビニールシート」で
直木賞を受賞後第一作となる書き下ろし作品とのこと。
主人公:夏目環は22歳の女性、
かつて家族を事故で失い、
20歳で面倒をみてくれた叔母も亡くして一人暮らし。
引越し先で、親しくなったサイクル紺野の猫:こよみも亡くして、
心を通じあった友達:紺野さんも実家に戻ることに。
最後に紺野さんからもらった自転車:モナミ1号が
彼女の人生を変えることに。
題名から、ジョギング、マラソンがテーマになっているとは
想像したけれど、
こういう話になるとは思わなかった。
秘めた動機、
声をかけられて一緒に走りはじめることになる、
イージーランナーズの面々、
環をチームにスカウトした招待不明のランナー、ドコロさんに、
アルバイト先での不倶戴天のライバル、主婦:真知栄子、
そしてその他の登場人物たちも。
小説だから特別という感じはしない、きっとごく身近に
同じような人生を抱えて生きている人がいるんだと思う。
きどりがなく、弱くていい加減で、根性なしで、
諦めたり、投げ出したりしても、
日が変わったら、反省していたりする。
笑ったり、ほろっとしたりして、楽しく読みました。