第57回江戸川乱歩賞受賞作。
呪術を研究する学者:仲澤大輔のもとに
祖父を殺害された18歳の佐倉真由が訪れるところから物語は始まる。
現場の自宅の縁の下に埋められた呪術符。
古来の呪術についての知識、歴史的なその意味、
主人公たちと一緒に、文献や資料、伝聞を追いかけながら、
四国、東北とドラマが転がっていく。
モダンホラーのような怖さとは違う、
かといって、
日本の怪談話、言霊や怨霊などがでてくるわけでもない。
歴史的な日本古来の呪術へのアプローチが目新しく、
不思議な世界観の中で、とっつきにくい探求の部分でも
つい読み進んでました。
最近の乱歩賞の中で、その異色さが新鮮でした。