5編からなる麻耶雄嵩さんの作品集。
1. ウィーンの盛の物語
2. トリッチ・トラッチ・ポルカ
3. こうもり
4. 加速度円舞曲(ワルツ)
5. 春の声
主人公である貴族探偵は、
自ら捜査や推理を行ったりしない・・
ということで
執事の山本、
小間使い(メイド)の田中、
運転手の佐藤、
有能な使用人たちがそれぞれ静かに冷静にその鮮やかな推理を疲労する。
貴族探偵というキーワードを聞くと、
京極夏彦さんの榎木津礼ニ郎を思い浮かべてしまうのだが、
最後まで読んで、こういうのもあるのかと思った。不思議な面白さ。
あなたは何をするの?という
依頼者や警察関係者の疑問に心地よく同調してしまった。
最終章、3人の使用人たちの推理の競演、
これまた楽しい。