柴田よしきさんの連作長編。
夏休みを過ぎても就職が決まらずにあせっている大学生の石狩くんが、
みずから巻き込まれたアルバイト代のスリ事件に絡んで
カリスマ占い師・摩耶優麗のもとで働くことに。
書名からして、シリアスなストーリーなど期待できないのだけれど、
大都会、東京だからこそありそうな気もして、
現実にも存在しているかもしれないファンタジーのように楽しめました。
人生、大変なこともあるけれど、
こんなふうに流れに翻弄されるような生き方も、
まだまだ豊かな日本の都市だからゆるされるとは思う。
今の時代だからこそ、
食うだけならなんとかなるという
楽観さも必要かもしれない。