堂場瞬一さんの長編小説。
プロ野球選手を主人公にしたシリーズ作品。
立場も考え方も、そして歩んできた道も異なる同期入団の3人、
一軍半の選手生活、それでも18年間のプロ生活を続けてきたキャッチャーの樋口、
来シーズンでの引退と同時に2軍監督のキャリアを提示される。
スター選手からそのまま監督へ、チーム成績の低迷で苦境にある:鷹取
幾度のケガも乗り越えて、いまだ球界を代表するピッチャー、
稀代のショーマン:真田
真田が自分の引退を壮大なショウとして幕引きしようと考えるなかで、
今までほとんど交差したことのなかった3人の人生が交わっていく。
よくできた野球小説は、本当におもしろい。
主人公:沢崎のメジャーへの移籍前のラストシーズンを描いた前作も
よかったけれど、
対照的な主人公、捕手の樋口と、投手の真田、
二人をメインにそのプロフェッショナルの技と
思考と一緒にゲームを楽しんでいた。
こういう感覚をもてるのも、国民的なスポーツとして野球を共有してきた
日本人だからこそということがあるのだと思う。
10年後、20年後もそういえるようだったらいい。