熊本での学生時代の恩師が亡くなったとの連絡を受けました。
がんだったそうです。
53歳、若くて元気な印象しかなかっただけに、
突然の訃報にショックを受けました。
私が新入生だった、最初の授業の時、
大学院を卒業して助手として母校に戻ってきたばかり、
まだ若くて年もそれほど離れていなかった先生が
その年のノーベル賞の研究内容について、熱く語っていたことを
今でも覚えています。
- ノーベル賞なんて、そんなかけ離れた世界のことじゃない。
自分たちが行っていた研究と変わらない、たんたんと
けれど迷いなく断言した姿に
すごいなと思いました。
助手として、学生の授業を受け持ちながら、
研究を続けて学会発表、私の在学中に博士号をとって、
ベルギーにも国費留学。
その後、教授になって、母校でも全体を引っ張っていく存在に
なりました。
いつも前向きでアグレッシブな姿勢が
周囲に与える影響は大きかった。
もう20年近く前になりますが、リクルート活動で母校を訪れたとき、
教官室に寄ると歓迎してくれて
半導体業界の話がつきなかった。
母校にいけば、いつでも先生がいる、
それは、私にとっては確かな支えだったなと改めて思う。
先生の影響を受けて、この業界でがんばっている学生は多いと思う。
- 私もその一人。
先生個人の業績とは別に、
それが先生が世の中に残した最大の成果です。
ご冥福をお祈りします。