副題は、「なぜ、出せるはずの利益がでないのか」
ゴールドラット博士の前著「ザ・ゴール」でのメインの題材だった、
TOC(制約条件の理論)を用いることによる工場での生産性の向上。
それをコンピュータソフトの世界を舞台に、
流通管理とのリンクまで広げて、”利益向上”という
本来顧客が求めているところまで踏み込んだのが本書。
数年前にすでに読んだ作品だが、当時より、
会社の利益確保・成長というものへの関心が切実になっている今みると、
構造的に成長が難しくなってきた業界での
活路を開くという事例として、
とても興味深い。
競合他社が似たような商品とサービスを提供する中、
パイ自体も飽和に近づいている。
部分最適化を推し進めて成果をあげることができても、
利益を増やすことはできない。
本書の最終章で提示される到達点は、
本当に驚くべきものだ。
経営、マネジメントというのは、こういうレベルの革新を
意味するのだ、というのがわかった。
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