柳広司さんの連作長編。
「ジョーカー・ゲーム」
「幽霊」
「ロビンソン」
「魔都」
「XX ダブルエックス」
昭和10年代、設立された諜報員養成学校「D機関」
読みはじめ、
架空とはいえ、舞台設定を始めて知ったときには、
とっつきにくい、マニアックな小説ではないかという
先入感を持ちましたが・・・
面白かった!!
短編にして、この切れ味。
なによりこんなに痛快だったり、安心できたり、
不思議な読後感のよさは、何だろう・・と思った。
日本の諜報養成学校の卒業者たちが、一見不可能とも
思えるような危機的な状況の中で、
知力・能力をつくして完璧に仕事をやりとげてみせる。
D.R.クーンツのいう、ベストセラー小説の条件、
- 主人公は有能でなければならない。
つまりこれ。
現実の日本で、
能力も、"果たすべき成果”を最後までやり遂げるという覚悟もない
素人政治家に、
これから3年も国の進路をあずけないといけないという
無力感・・絶望感。
できることは、
3年後まで、力尽きず、生命を、復活できる能力を保つこと。
挫折が大きければ、大きいほど、
立ち直れば、大きな成長ができる、そう信じたい。
日々の与党の情けないニュースに押しつぶされそうな人には
おすすめです。