road2vのブログ - a little white rooster

Windows10 64bit化、書庫:PC(パソコン)関連作りました。

「リストラなう!」綿貫智人/新潮社

2010年3月上旬、大手出版社の”早期退職優遇措置制度”に応募した
45歳(営業)の『たぬきちさん』が退職までの2ヶ月あまりを
ブログに綴った「リストラなう!」の書籍化。

ブログのエントリーとコメントで成り立っている本というのを、
ちゃんと読んだのは初めてでした。
ほんの数ヶ月前の出来事で、そのリアルタイム進行ぶりは、
とても臨場感があった。
- iPADの発売も、本当にわずか前の話ですものね。
文章のちから・濃さってすごいと思う。なじみのない出版業界の
 事情故の興味ぶかさもありましたが、
 読み終えるまで1週間もかかりました。

最終pageにさしかかるころに、
WEBの方も見にいくようになりましたが、
実際、ライブで見ていたらまたちがった興奮があったかもしれません。

ブログで出版が発表されてからの、
コメント載録についてのやりとりについては
たぬきちさん』の誠実な対応振りには頭が下がりました。
# ちょっと年上の『たぬきちさん』のこれからのチャレンジを
  応援しています。


私の以前勤めていた会社(外資系)でも、この数年、
早期退職プログラムを伴ったリストラが行われていて、
たぬきちさん』のところほどではなくても、日本の同業他社よりは
手厚いプログラムになっています。

- 私が退職(自己都合)した約9年前は、対象部署や年令制限があって
 誰でもその選択ができるわけではなかったですが、
 その後、対象者が広がっていくのは、どこも同じです。

- 1年待っていたら、私もその恩恵にあずかれたな・・という気持ちは
 正直あります。会社都合になる割り増し分も含めて、1000万円ちかくは
 ちがいがあったと思います。 

- とはいえ、この2年、早期退職した同期の友達たちも、
 次の仕事を探すのは非常に苦労していました。

 リーマンショックの前後では、エンジニアの転職事情の
 すべてが変わりました。

 伝え聞くところによると、もっと年上の代では、いまだに
 仕事が決まらずにいる人たちもずいぶんいるようです。

 「普通のリストラに比べたら、どんだけ恵まれてる状況か・」というのは
 わかっていても、彼らにも
 将来への不安というのは同じようにあります。

長い間サラリーマンを続けていると、
(あの人しばらくみてないな、)と思っていたら
心を病んでとか、身体を壊してといった理由で
辞めていったということを、後から知らされることは
そんなに珍しいことではないです。

だから、こういう優遇措置があるときには、
(それ自体が、稀な恵まれた状況であるからこそ)
辞めたいな、辞めてもいいな、という気持ちはわかります。

不安もあるだろうけれど、
開放感の方がきっと大きい。
だから、うまくいって欲しいと思います。