2010年3月上旬、大手出版社の”早期退職優遇措置制度”に応募した
45歳(営業)の『たぬきちさん』が退職までの2ヶ月あまりを
ブログに綴った「リストラなう!」の書籍化。
ブログのエントリーとコメントで成り立っている本というのを、
ちゃんと読んだのは初めてでした。
ほんの数ヶ月前の出来事で、そのリアルタイム進行ぶりは、
とても臨場感があった。
- iPADの発売も、本当にわずか前の話ですものね。
文章のちから・濃さってすごいと思う。なじみのない出版業界の
事情故の興味ぶかさもありましたが、
読み終えるまで1週間もかかりました。
最終pageにさしかかるころに、
WEBの方も見にいくようになりましたが、
実際、ライブで見ていたらまたちがった興奮があったかもしれません。
ブログで出版が発表されてからの、
コメント載録についてのやりとりについては
『たぬきちさん』の誠実な対応振りには頭が下がりました。
# ちょっと年上の『たぬきちさん』のこれからのチャレンジを
応援しています。
私の以前勤めていた会社(外資系)でも、この数年、
早期退職プログラムを伴ったリストラが行われていて、
『たぬきちさん』のところほどではなくても、日本の同業他社よりは
手厚いプログラムになっています。
- 私が退職(自己都合)した約9年前は、対象部署や年令制限があって
誰でもその選択ができるわけではなかったですが、
その後、対象者が広がっていくのは、どこも同じです。
- 1年待っていたら、私もその恩恵にあずかれたな・・という気持ちは
正直あります。会社都合になる割り増し分も含めて、1000万円ちかくは
ちがいがあったと思います。
- とはいえ、この2年、早期退職した同期の友達たちも、
次の仕事を探すのは非常に苦労していました。
リーマンショックの前後では、エンジニアの転職事情の
すべてが変わりました。
伝え聞くところによると、もっと年上の代では、いまだに
仕事が決まらずにいる人たちもずいぶんいるようです。
「普通のリストラに比べたら、どんだけ恵まれてる状況か・」というのは
わかっていても、彼らにも
将来への不安というのは同じようにあります。
長い間サラリーマンを続けていると、
(あの人しばらくみてないな、)と思っていたら
心を病んでとか、身体を壊してといった理由で
辞めていったということを、後から知らされることは
そんなに珍しいことではないです。
だから、こういう優遇措置があるときには、
(それ自体が、稀な恵まれた状況であるからこそ)
辞めたいな、辞めてもいいな、という気持ちはわかります。
不安もあるだろうけれど、
開放感の方がきっと大きい。
だから、うまくいって欲しいと思います。