2009年、日本ファンタジーノベル大賞受賞作:
- この現代日本の隠された真実、
増大派と減少派という人間の2大勢力が、水面下で争いを繰り広げている..
ファンタジーノベルという名を冠した賞だけに、
妄想でも空想でも、跳びぬけた展開でユーモアにみちた
笑える物語なんだろうなと想像していた。
....
全然、ちがいました。
トラウマを抱えて生きてきたホームレスと、
団地住まいの中学生の少年、
今の日本なら、普通にありそうな痛みを伴うリアリティ、
そしてラストシーン..
選考委員である鈴木光司さんの言葉
「温い表現が跋扈する風潮に逆らい、
傷口に塩を塗るかのごとき危険な賭けを打つ勇気は、
大いに評価したい」
は、確かにそうなんだけれど。重いです。